江戸時代の京都では、雅やかな文化と精緻な技に培われた品格ある陶磁器が生まれ、つくり続けられてきました。しかし、明治維新によって首都機能が東京に移されると、上流階級も東京へ転居し、従来の高級陶磁器の購買層を失ってしまいます。そこで六代錦光山宗兵衛や九代帯山与兵衛らが海外市場に目を向け、輸出に活路を見出しました。また、松風嘉定や七代錦光山宗兵衛の主導で明治29年(1896)に京都市陶磁器試験場が設立され、エリート技師たちが当時の最先端技術をリードしていきました。
明治・大正時代を中心に、伝統を守りながら革新的な陶磁器を生み出そうと研鑽を重ねた京焼122点を紹介。銘一覧も掲載しています。
*A4変形、32ページ